中国輸入ビジネスを始める際に避けて通れないのが「仕入れサイトの選定」です。代表的な仕入れ先として知られるのが「アリババ(Alibaba)」「タオバオ(Taobao)」「1688(イーリューバーバー)」の3つ。
どれも中国企業アリババグループが運営していますが、ターゲットや用途、仕入れ方法などに明確な違いがあります。この記事では、それぞれの特徴を徹底的に比較し、どのような場面で使い分けるべきかを解説します。
アリババ(Alibaba.com)とは?
アリババは、世界中のバイヤーと中国の工場・卸業者を結ぶBtoB(企業間取引)向けサイトです。英語で表記されており、日本からでも直接取引が可能です。
特徴
- 対象:海外のバイヤー向け
- 言語:英語対応
- 最小注文数:数十~数百個から(交渉次第)
- 決済方法:クレジットカード、T/T、PayPalなど
- サンプル注文やOEMにも対応
メリット
- 企業との取引なので信頼性が高い
- 大量仕入れで単価が安くなる
- 海外発送に慣れている業者が多い
デメリット
- 英語でのやり取りが必要
- 少量仕入れには不向き
⇒ 中~上級者向け、大量仕入れやOEMを考えている人に最適です。
タオバオ(Taobao.com)とは?
タオバオは、中国版の「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」のようなCtoCプラットフォームです。中国国内向けのため、日本語や英語には対応していませんが、個人でも気軽に利用できる点が魅力です。
特徴
- 対象:中国国内の消費者向け
- 言語:中国語のみ
- 最小注文数:1個からOK
- 決済方法:中国国内用(Alipayなど/代行業者経由が一般的)
メリット
- 単品購入が可能
- 商品数が非常に多い
- 最新の中国トレンド商品も豊富
デメリット
- 国際発送には非対応(代行業者が必須)
- サプライヤーの品質にばらつきがある
⇒ 初心者や小ロットでテスト仕入れをしたい方におすすめです。
1688(1688.com)とは?
1688は、中国国内向けの業者向け卸売サイトで、最も単価が安いことで知られています。「中国のアリババ」と言われることもありますが、こちらは中国国内限定の取引に特化しており、一般人が直接購入するのは難しい面があります。
特徴
- 対象:中国国内の法人・小売業者向け
- 言語:中国語のみ
- 最小注文数:業者によるが少量からOK
- 決済方法:中国国内口座/Alipay(代行業者経由が基本)
メリット
- 他サイトと比べて価格が圧倒的に安い
- 仕入れ原価を最大限に抑えられる
- 小ロットでも卸価格で購入可能な場合が多い
デメリット
- 完全中国語対応でハードルが高い
- 国際発送には非対応(代行業者が必須)
- 品質の保証やサポートが弱い
⇒ 利益率を高くしたい中・上級者向け。代行業者の活用が前提。
比較表:アリババ・タオバオ・1688の違い
項目 | アリババ(Alibaba.com) | タオバオ(Taobao) | 1688(イーリューバーバー) |
---|---|---|---|
対象 | 海外向けBtoB | 中国国内向けCtoC | 中国国内向けBtoB |
言語 | 英語 | 中国語 | 中国語 |
最小注文数 | 数十個~(交渉可) | 1個から | 数個~(業者次第) |
価格帯 | 中程度 | やや高め | 非常に安い |
代行業者の必要性 | 無くても取引可能 | 必須 | 必須 |
決済手段 | クレカ・PayPalなど | Alipay(国内専用) | Alipay・銀行振込(国内専用) |
国際発送 | 対応あり(業者による) | 非対応(代行必須) | 非対応(代行必須) |
どう使い分けるべきか?
初心者の場合
まずはタオバオ+輸入代行業者を使って、少量のテスト仕入れから始めるのがおすすめです。商品探しややり取りも比較的簡単で、リスクも抑えられます。
中級者以上やOEM・大量仕入れを目指す場合
アリババや1688を使い、価格交渉・OEM交渉を進めることで、大きな利益を生むことが可能です。1688は非常に安価ですが、中国語と代行業者のサポートが前提です。
代行業者を活用するのが鍵
タオバオや1688を使う場合、輸入代行業者の利用が事実上必須です。代行業者を通せば、以下のような手続きも一括で任せることができます。
- 商品の購入と決済
- 検品・梱包
- 中国国内からの配送・国際発送
- 通関処理
- 不良品対応
代行手数料はかかりますが、その分トラブルやミスのリスクを回避できます。
まとめ
アリババ・タオバオ・1688の3サイトには、それぞれに明確な特徴と適した用途があります。
- タオバオ:小ロットでテスト仕入れ向け(初心者)
- アリババ:英語対応、海外バイヤー向けのBtoB(中級者)
- 1688:最安値での仕入れが可能(上級者向け)
あなたの経験値、目的、資金、販売戦略に合わせて、最適な仕入れ先を選びましょう。そして、必要に応じて代行業者を賢く活用することで、中国輸入ビジネスはより効率的かつ安全に進めることができます。