中国輸入ビジネスで一定の売上を上げている人の多くが次に目指すステップが「OEM(オーイーエム)による差別化」です。

安く仕入れた既製品を転売するだけでは、価格競争に巻き込まれやすく、長期的な利益を得るのは難しくなってきます。そんな中、自社だけのオリジナル商品を持つことで、価格競争を避け、高利益・ブランディング・リピート顧客の獲得が可能になります。

この記事では、OEMの基本から、実践的な差別化戦略、始め方までをわかりやすく解説します。


OEMとは?ODMとの違いも簡単に解説

OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の略で、「他社が製造した製品を自社ブランドとして販売すること」を指します。つまり、自分が企画した製品やロゴを既存の製品に反映し、自社商品として販売する手法です。

一方で「ODM」は製品開発から製造までを丸ごと委託する方式ですが、OEMは既存の型やパーツを使いながらカスタマイズするのが基本です。

初心者にはOEMが始めやすく、初期費用も比較的抑えられるというメリットがあります。


なぜOEMで差別化ができるのか?

通常の中国輸入では、誰でも同じ商品を仕入れることが可能です。つまり、同じ商品がAmazonや楽天に並ぶ中で、価格競争に陥ることは避けられません。

しかし、OEMによって以下のような差別化が可能になります。

  • ブランド名やロゴ入りのオリジナル商品になる
  • パッケージを変えて「プレゼント需要」などに対応
  • カラーバリエーションや素材を独自に変更できる
  • 商品説明やマーケティングを自由に設計できる

これらはすべて、**他社には真似されにくい「独自性」**につながり、値崩れしづらいビジネスが構築できます。


OEM商品の具体例

以下のような商品は、比較的簡単にOEM対応が可能です。

  • スマホケース → ロゴ印刷・パッケージ変更
  • キッチン用品 → カラー変更・取扱説明書の独自化
  • フィットネス用品 → ブランドタグの追加・収納袋の追加
  • 美容グッズ → ロゴ刻印・機能追加(ミラー付きなど)
  • ペット用品 → サイズ展開・素材選定・キャラクター要素

OEMと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、「すでにある商品に少し手を加えるだけ」で立派なオリジナル商品になります。


OEMを始める流れ

1. 商品ジャンルと差別化ポイントを決める

まずは、すでに売れている商品を参考にしながら、自分なりの差別化ポイントを見つけます。

例:

  • 色を変える
  • 複数セットにする
  • 付属品をつける
  • パッケージをプレゼント向けに変更する

2. サプライヤーを探す(1688・アリババなど)

中国仕入れサイトや輸入代行業者を使って、OEM対応可能な業者を探します。
「OEM可(可定制、Customizableなど)」の表記がある業者を選ぶとスムーズです。

3. サンプル注文とやり取り

OEMでは一発勝負はNG。必ず試作品(サンプル)を取り寄せて品質や仕様を確認します。

ここでポイントになるのが代行業者や通訳者の活用です。細かい仕様のやり取りは中国語や英語が必要になるため、プロに任せた方が安心です。

4. ロット数・費用を確認し量産依頼

サンプルに納得できたら、発注数と価格を交渉して量産依頼を出します。
最小ロット(MOQ)は商品によって異なりますが、100個〜500個程度が一般的です。

5. 通関・検品・販売

輸送・通関・国内配送などは代行業者を利用し、自社ECサイトやAmazonなどで販売スタート。
オリジナル写真やLP(ランディングページ)作成で訴求力を高めるのが成功のコツです。


OEMのメリット・デメリット

メリット

  • 他社と被らない独自商品が作れる
  • 価格競争から脱却できる
  • ブランド価値を高めやすい
  • リピーターやファンを増やしやすい

デメリット

  • ロット数が多く、初期投資が必要
  • 試作・交渉・品質確認に時間がかかる
  • 不良品リスクもあるため検品体制が重要

初心者が失敗しないためのポイント

  • いきなり大量発注しない(まずは少数でテスト)
  • 簡易OEMから始める(ロゴ印刷やカラー変更など)
  • 日本の法律や安全基準を確認(薬機法・PSE・PL法など)
  • サンプルチェックは必須(画像だけで判断しない)

まとめ

OEMを活用すれば、価格競争の激しい中国輸入ビジネスにおいて、「自分だけの商品」を持つことが可能になります。

最初は小さなカスタマイズでも、しっかりと差別化ができればブランドとしての価値が生まれ、長期的に安定した収益を得ることができます。

今後、中国輸入で一歩リードしたい方は、ぜひOEMによるオリジナル商品づくりに挑戦してみてください。